認定カウンセラーの資格を取得した後はどのような進路があるでしょうか。
認定カウンセラーの資格を取得した後はどのような進路があるでしょうか。
学会によると資格取得者の中には教育分野に進む人や看護、福祉などの仕事のなかでカウンセリングの能力を発揮している人が多くいるということです。特に産業界では「産業カウンセラー」と同様、看護師、教師、看護事務担当者などの道が開けています。
実は学会に所属し、試験に合格するという難関をクリアしたとしても、必ずしも資格を活かした仕事に就けるという保証はありません。心理関係やカウンセリング関係の多くの資格と同様、ただ資格を持っているだけで得られる仕事というものはないのです。そこが国家資格と違うところです。現在は学会に認められ、知識人の仲間入りをした程度のステータスしか与えられていません。有利な点は学会が主催する研究会や講演会に参加することで、より多くの知己を得て、人脈が増えることです。そのことによって自分がカウンセラーの仕事をやっていく上での自信が得られるでしょう。
安定した職場を狙うなら公務員試験がいいでしょう。国家公務員総合職(人間科学)試験、地方公務員上級(心理職)試験を受けて司法関係の職に就くのが近道です。省庁の配属先で養成訓練を受けます。
組織に雇われて給料を貰いながらカウンセリングをしていくのが性に合わない人に対しては、カウンセラーとして独立開業するという方法もあります。カウンセラーを名乗るのに必要な免許などありませんから、個人的に開業するのが一番早道ともいえましょう。
アメリカでは独立開業のカウンセラーの数は多く、それなりの市場を形成しています。悩みを抱えている人が多いのは現代アメリカの縮図ですが、日本でも年々需要は増えてきています。
学校内でのいじめや企業での長時間労働など、最近のマスコミに取り上げられる事件はこういう悩みを抱えた人が多いことを示しています。パワハラ、セクハラなど職場でもストレスを抱えている人が少なくありません。また昇進に伴い増える重圧がストレスになることもあります。社内のメンタルヘルスを外部の産業カウンセラーに委託する企業も増えています。家庭内ではDVも主に女性の悩みの一つとなっています。
カウンセラー個人がこれらの相談に乗ることは社会の役に立ちます。カウンセリングの料金は1時間1万円と高いのですが、親身になって相談できるという専門の病院にはない良さがあります。また最近では相談所を設けずに、インターネットや電話でカウンセリングをするケースも増えてきています。
将来的に認定カウンセラーの資格が国家資格になるなど、より世間に認知され、また資格取得者の数が増えていけば、取得した資格を活かす場がさらに増えていくに違いありません。
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